動詞「watch」の意味と使い方!英語のイメージを掴んで英会話の幅を広げよう!
動詞の「watch」と言えば、一般的には「見る」という意味でお馴染みですよね?
実際、動詞「watch」は日本語で言うところの「見る」という意味で使われていますが、それは「watch」のイメージから生みだされた意味の1つにすぎません。では、他に「watch」には、どのような使い方があるのでしょうか?
今回の記事では「watchのイメージと正しい使い方」を解説していきます。
「watchのイメージ」
まず、「watch」のイメージですが「じっと見る(動いているものを見る)」になります。
この「じっと見る(動いているものを見る)」というイメージから、よく使われる「見る」という意味が生まれています。
ポイントは「ただ見る」のではなく「じっと見る」という点で、「相手や物事を注視する」といった感覚になるので、そこから「観察する」「注意して見る」「見守る」「監視する」などの意味を生み出します。
では、せっかくなので、動詞「watch」を使った例文を見ていきましょう。
・I watch the drama every week.
・私は毎週そのドラマを観ています
⇒私がドラマの中の俳優が動いている様子を観るイメージ
・Watch your step!
・足元に気をつけて
⇒足元に何か危険があるので注意して見るイメージ
このように、動詞「watch」は「じっと見る(動いているものを見る)」から「見る」という意味で使われます。
「see・look・watch」の違い
他にも「見る」という意味で使われる動詞として「watch」や「see」があります。日本語の「見る」という意味だけにフォーカスして考えるとニュアンスがわかりづらいですが、実際には以下のように微妙に感覚が異なります。
・「see」向こうから視界に入ってくる(自然と見える)
・「look」こちらから視線を向ける(意識的に目を向ける)
・「watch」じっくり見る・注意して見る(動くものを見る)
動詞「look」は「こちらから視線を向ける」という感覚なので「意識的に目を向ける」という能動的なニュアンスです。
一方、「see」は「向こうから自然に入ってくる」という感覚なので「意識しなくても自然に見える」というニュアンスになり、動詞「watch」は「じっくり見る」という感覚なので「注意して見る・観察する」というニュアンスになります。
・I saw a cat on the roof.
・私は屋根の上の猫を見た
⇒屋根の上に猫を見かけたというニュアンス
・I looked at a cat on the roof.
・私は屋根の上の猫を見た
⇒屋根の上の猫に視線を向けたというニュアンス
・I watched a cat on the roof.
・私は屋根の上の猫を見た
⇒屋根の上の猫を観察するようなニュアンス
このように、同じ「見る」という日本語訳でも、どういう感覚で見ているかが異なっています。
「see」を使った例文
・We saw Mt. Fuji in the distance.
・遠くに富士山が見えた
⇒富士山が視界に入ったイメージ
・You can see rare animals there.
・そこでは珍しい動物を見ることができます
⇒そこでは珍しい動物が見れる可能性があるというイメージ
・She can’t see anything without her glasses.
・彼女は眼鏡がないと何も見えない
⇒彼女は眼鏡がないと何も視界に入ってこないというイメージ
動詞「see」は「向こうから視界に入ってくる(自然と見える)」といったニュアンス、別に意識的に見ようとはしていないが自然に視界に入ってくる感覚です。
「look」を使った例文
・Look at the mountain.
・あの山を見てください
⇒あの山に目を向けるイメージ
・He looked up at the sky.
・彼は空を見上げた
⇒彼が空に目を向けるイメージ
・She looked down at the sea.
・彼女は海を見下ろした
⇒彼女が海に目を向けるイメージ
動詞「look」は「こちらから視線を向ける(意識的に目を向ける)」といったニュアンス、振り返って目を向けるような感覚です。実際に振り返っている場合も使いますが、振り返っていない場合でも「意識的に目を向けている感覚」があれば使えます。
「watch」を使った例文
・He watched soccer on TV.
・彼はテレビでサッカーを見た
⇒彼がテレビでサッカーを観戦するイメージ
・Watch out your step!
・足元に気をつけてください!
⇒足元を注意して見るように促すイメージ
・You should watch your mouth.
・あなたは発言に気をつけるべきです
⇒相手に注意して自分自身の発言を見るように促すイメージ
動詞「watch」は「じっくり見る・注意して見る(動くものを見る)」といったニュアンス、他の2つの動詞「see」や「look」に比べると「真剣に気を配って見る感覚」が強いです。
「watchの使い方(基本編)」
ここからは、動詞「watch」の本来のイメージ「じっと見る(動いているものを見る)」を意識して、簡単な例文を見ながら「正しい使い方」を理解していきましょう。
watch(見る)
・He watches YouTube everyday.
・彼は毎日ユーチューブを観ている
⇒ユーチューブ(動画で動いているもの)を観ているイメージ
・Watch what I do.
・私がすることを見ていなさい
⇒これから私がすることをしっかり見るように促すイメージ
・I watched the tennis tournament yesterday.
・私は昨日そのテニスのトーナメントを観ました
⇒テニスのトーナメント(動いているもの)を観たイメージ
watch(注意する・警戒する・気をつける)
・Watch your head
・頭上注意
⇒頭上にある危険に注意を向けさせるイメージ
・Watch your weight.
・体重に気をつけなさい
⇒健康のために体重の変化に注意を向けさせるイメージ
・Watch your speed!
・スピードに気をつけなさい
⇒スピードの出しすぎに注意を向けさせるイメージ
watch(監視する・見守る・世話をする)
・The police watched the suspect’s room.
・警察は容疑者の部屋を監視した
⇒警察が容疑者の部屋の様子をじっと見るイメージ
・She watched a patient carefully
・彼女は患者を手厚く看病した
⇒彼女が患者の様子をじっと見るイメージ
・He watches the children at play.
・彼は遊んでいる子供たちを見守っている
⇒彼が遊んでいる子供たちに注意を向けているイメージ
watch(うかがう・待ち構える)
・They watched for a good chance.
・彼らは好機を待っていた
⇒彼らが良いチャンスがやってくるのをじっと見ていたイメージ
・The police watch the moment when he come out of the room.
・警察は彼が部屋から出てくる瞬間を待ち構えている
⇒警察が彼が部屋から出てくるのをじっと見ているイメージ
・Russia watched for a chance to invade Ukraine.
・ロシアはウクライナへの侵略の機会をうかがっていた
⇒ロシアがウクライナへ侵略するタイミングをじっと見ていたイメージ
このように、動詞「watch」には「じっと見る(動いているものを見る)」というイメージがあるため「見る、気をつける、監視する、世話をする、待ち構える」などの意味を表す事ができます。
「watchの使い方(応用編)」
動詞「watch」は「じっと見る(動いているものを見る))」から「気をつける(注意して見る)」という意味でよく使われます。特に相手に注意を促す際に頻繁に使われています。
watch out(気をつけて)
・Watch out! There’s a car coming!
・気をつけて!車が来ているよ!
⇒車が来ていることへの注意を向けさせるイメージ
・Watch out for cars when you’re crossing the street.
・通りをわたる際は車に気をつけて
⇒通りを渡ろうとしている人に車への注意を向けさせるイメージ
動詞「watch」の「じっと見る(動いているものを見る)」に「out」の「~の外へ」が加わって「気をつける」などの意味になります。感覚的には「今見ているものから外部へ注意を向けさせる」といった感覚ですね。
●「watch out」と「be careful」の違い
今回お伝えしたフレーズ「watch out」と似たような意味で「be careful」というフレーズがあります。どちらのフレーズも日本語に訳すと「気をつけて」という意味になりますが、ニュアンスが少しだけ異なります。
・watch out・・・とっさの危険に対する注意
・be careful・・・元々存在している危険に対しての注意
句動詞「watch out」は「今まさに危険が迫っていることへの注意」なのに対し、「be careful」は「何か起こりそうなことに対して行う注意」といったニュアンスです。
●「とっさの注意」と「事前の注意喚起」
・Watch out for cars when you’re crossing the street.
・通りをわたる際は車に気をつけなさい
⇒今、通りを渡ろうとしている人に車へ注意を向けさせるイメージ
・Be careful of cars when you’re crossing the street.
・通りをわたる際は車に気をつけてなさい
⇒これから通りを渡るであろう人に車への注意を促すイメージ
・Watch your step!
・足元に気をつけて
⇒今、足元にある危険へ注意を向けさせるイメージ
・Be careful when you go downstairs.
・階段を下りる際は気をつけて
⇒階段を下りる際は足元に注意するように促すイメージ
実際に例文を比べて見ても「とっさの注意(watch)」と「事前の注意喚起(careful)」になっているのが分かると思います。
watch over(見守る)
・Could you watch over my son for a while.
・しばらく息子を見ていてくれる?
⇒しばらく息子の様子を見ていてくれるようにお願いしているイメージ
・I will watch over your bag.
・バッグを見ておくよ
⇒バッグが盗難にあわないように見ておくイメージ
動詞「watch」の「じっと見る(動くものを見る)」に「over」の「上に弧」が加わって「見守る」という意味になります。感覚的には「覆うように見ておく」といった感覚ですね。
●「Watch over someone」と「look after someone」の違い
今回お伝えしたフレーズ「Watch over someone」と似たような意味で「look after someone」というフレーズがあります。どちらのフレーズも日本語に訳すと「~の世話をする」という意味になりますが、ニュアンスが少しだけ異なります。
・Watch over someone・・・比較的短時間の見守り(watching)
・look after someone・・・・比較的長時間の見守り(taking care)
感覚的なものなので「実際にどのくらいの期間なのか?」のは明確ではないですが、例えば「ちょっとトイレに行っている間見ておく」であれば「watch」が妥当ですし、「旅行に行っている間見ておく」であれば「look」の方が一般的だと思います。
「動画で復習しよう」
いかがでしたか?「watchのイメージ」は掴めましたでしょうか?
この「watch」という動詞には「じっと見る(動くものを見る)」があり、ただ見るのではなく「観察する、じっくり見る」といった感覚です。なので、文字通りの「見る」だけではなく、「待ち構える」や「機会をうかがう」など「様子を見る」という意味も生み出すことができます。
英語の「見る」は日本語の「見る」と異なり、ニュアンスに応じて使い分けが必要になってくるので、実際の会話で使う際は、動詞本来のイメージを意識しながら使い方を学んでいくようにしてください。
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