動詞「look」の意味と使い方!英語のイメージを掴んで英会話の幅を広げよう!
動詞の「look」と言えば、一般的には「見る」という意味でお馴染みですよね?
実際、動詞「look」は日本語で言うところの「見る」という意味で使われていますが、それは「look」のイメージから生みだされた意味の1つにすぎません。
では、他に「look」には、どのような使い方があるのでしょうか?
今回の記事では「lookのイメージと正しい使い方」を解説していきます。
「lookのイメージ」
まず、「look」のイメージですが「意識的に目を向ける」になります。
この「意識的に目を向ける」というイメージから、よく使われる「見る」という意味が生まれています。
ポイントは「こちらから視線を向ける」という感覚で、実際に振り返って見る場合にも使いますが、振り返っていない場合でも「意識的に目を向けている感覚」があれば使うことができます。
では、せっかくなので、動詞「look」を使った例文を見ていきましょう。
・He looks out of window.
・彼は窓の外を見ている
⇒窓の外に視線を向けるイメージ
・I’m just looking.
・ちょっと見ているだけです
⇒お店の商品に視線を向けて回るイメージ
・They looked around the room.
・彼らは部屋を見回した
⇒彼らが部屋のあちこちに視線を向けたイメージ
このように、動詞「look」は「こちらから視線を向けるイメージ」から「見る」という意味で使われます。
「see・look・watch」の違い
他にも「見る」という意味で使われる動詞として「watch」や「see」があります。日本語の「見る」という意味だけにフォーカスして考えるとニュアンスがわかりづらいですが、実際には以下のように微妙に感覚が異なります。
・「see」向こうから視界に入ってくる(自然と見える)
・「look」こちらから視線を向ける(意識的に目を向ける)
・「watch」じっくり見る・注意して見る(動くものを見る)
動詞「look」は「こちらから視線を向ける」という感覚なので「意識的に目を向ける」という能動的なニュアンスです。
一方、「see」は「向こうから自然に入ってくる」という感覚なので「意識しなくても自然に見える」というニュアンスになり、動詞「watch」は「じっくり見る」という感覚なので「注意して見る・観察する」というニュアンスになります。
・I saw a cat on the roof.
・私は屋根の上の猫を見た
⇒屋根の上に猫を見かけたというニュアンス
・I looked at a cat on the roof.
・私は屋根の上の猫を見た
⇒屋根の上の猫に視線を向けたというニュアンス
・I watched a cat on the roof.
・私は屋根の上の猫を見た
⇒屋根の上の猫を観察するようなニュアンス
このように、同じ「見る」という日本語訳でも、どういう感覚で見ているかが異なっています。
「see」を使った例文
・We saw Mt. Fuji in the distance.
・遠くに富士山が見えた
⇒富士山が視界に入ったイメージ
・You can see rare animals there.
・そこでは珍しい動物を見ることができます
⇒そこでは珍しい動物が見れる可能性があるというイメージ
・She can’t see anything without her glasses.
・彼女は眼鏡がないと何も見えない
⇒彼女は眼鏡がないと何も視界に入ってこないというイメージ
動詞「see」は「向こうから視界に入ってくる(自然と見える)」といったニュアンス、別に意識的に見ようとはしていないが自然に視界に入ってくる感覚です。
「look」を使った例文
・Look at the mountain.
・あの山を見てください
⇒あの山に目を向けるイメージ
・He looked up at the sky.
・彼は空を見上げた
⇒彼が空に目を向けるイメージ
・She looked down at the sea.
・彼女は海を見下ろした
⇒彼女が海に目を向けるイメージ
動詞「look」は「こちらから視線を向ける(意識的に目を向ける)」といったニュアンス、振り返って目を向けるような感覚です。実際に振り返っている場合も使いますが、振り返っていない場合でも「意識的に目を向けている感覚」があれば使えます。
「watch」を使った例文
・He watched soccer on TV.
・彼はテレビでサッカーを見た
⇒彼がテレビでサッカーを観戦するイメージ
・Watch out your step!
・足元に気をつけてください!
⇒足元を注意して見るように促すイメージ
・You should watch your mouth.
・あなたは発言に気をつけるべきです
⇒相手に注意して自分自身の発言を見るように促すイメージ
動詞「watch」は「じっくり見る・注意して見る(動くものを見る)」といったニュアンス、他の2つの動詞「see」や「look」に比べると「真剣に気を配って見る感覚」が強いです。
「lookの使い方(基本編)」
ここからは、動詞「look」の本来のイメージ「意識的に目を向ける」を意識して、簡単な例文を見ながら「正しい使い方」を理解していきましょう。
look(見る)
・She looked up at sky.
・彼女は空を見上げた
⇒彼女が空に視線を向けたイメージ
・He looked her in the eye.
・彼は彼女の目をじっと見た
⇒彼が彼女の目に視線を向けたイメージ
・She looked at the window.
・彼女は窓を見た
⇒彼女が窓に視線を向けたイメージ
look(確認する・調べる・気をつける)
・I will look at the file on Monday.
・月曜日にそのファイルを確認します
⇒月曜日にファイルに視線を向けるイメージ
・She looked up the word in the dictionary.
・彼女は辞書でその単語を調べた
⇒彼女が辞書に視線を向けて単語を調べたイメージ
・We must look to our health.
・我々は健康に注意しなければならない
⇒自分たちの健康に視線を向けるイメージ
look(~を向いている・~に面している)
・The veranda looks to the south.
・ベランダは南向きだ
⇒ベランダが南に視線を向けているイメージ
・My house looks toward the lake.
・我が家は湖に面している
⇒家が湖に視線を向けているイメージ
look(~に見える・~と思われる)
・You look terrible.
・ひどい顔をしているよ
⇒相手の顔がひどくやつれているように見えるイメージ
・They looked in a hurry.
・彼らは急いでいるようだった
⇒彼らの様子が急いでいるように見えたイメージ
・He doesn’t look his age.
・彼は年相応には見えない
⇒彼の見た目が年相応には見えないイメージ
・It looks heavy rain tomorrow.
・明日は大雨になりそうだ
⇒天候が大雨になりそうな雰囲気に見えるイメージ
・It looks like we made it.
・どうやら上手くいったようだ
⇒やっていることが上手くいったように見えたイメージ
look(「気持ち・意志などを」表す)
・She looked her thanks.
・彼女は感謝の気持ちを目で表した
⇒彼女の顔に感謝の念が見えたイメージ
・He looked his joy in the face.
・彼は顔に喜びの表情を浮かべた
⇒彼の顔に喜びの表情が見えたイメージ
このように、動詞「look」には「意識して目を向ける」というイメージがあるため「見る、確認する、調べる、気をつける」などの意味を表す事ができます。
それだけでなく「意識して目を向けている方向」に着目し「何かに面している、~のように見える、気持ちや意志などを表すこと」もあります。
「lookの使い方(応用編)」
動詞「look」は「意識して目を向けるイメージ」から、さまざまな単語と組み合わせることによって意味を広げることができます。
look over(目を通す・点検する)
・She looked over the papers.
・彼女は新聞にざっと目を通した
⇒彼女が新聞に弧を描くように視線を向けたイメージ
・He looked over my car.
・彼が私の車を点検してくれた
⇒彼が私の車に弧を描くように視線を向けたイメージ
動詞「look」の「意識して目を向ける」に「over」の「~の上に円弧」が加わって「目を通す」や「点検する」などの意味になります。視線が弧を描くように上を通過することから、この2つの意味が生まれています。
look up(見上げる・よくなる・調べる)
・She looked up at the stars.
・彼女は星を見上げた
⇒彼女が星に視線を向けて見上げたイメージ
・My boss looked up from his work at me.
・上司は仕事から目を上げて私を見た
⇒上司が仕事から視線を上げて私を見たイメージ
動詞「look」の「意識して目を向ける」に「up」の「上へ」が加わって「見上げる」という意味になります。こちらは文字通りなので掴みやすいですね。
また「look up」の「見上げる」という意味から派生して、「(景気などが)よくなる」「元気を出す」などの意味を作ることもできます。
・Things are looking up!
・物事は上手くいき始めている
⇒物事が上を向いているイメージ
・The economy of Japan is starting to look up.
・日本の経済はよくなり始めた
⇒日本の経済が上を向いているイメージ
動詞「look」の「意識して目を向ける」に「up」の「上へ」が加わって「上へ視線を向ける」、つまり「よくなる」という意味ですね。そこから派生して「元気を出す」という意味にも使えます。
更に「look up」は「調べる」という意味にもなることがあります。
・She looked up the word in the dictionary.
・彼女は辞書でその単語を調べた
⇒彼女が辞書に視線を向けて単語を調べたイメージ
・I’ll look it up online.
・ネットでそれを調べてみるよ
⇒ネットに視線を向けて探し出すイメージ
句動詞に使われている「up」ですが「上へ」の他に「中心に向かう」というイメージもあります。
日本語でも使われている「close up(クローズアップ)」などは、正に「中心に向かうイメージ」を利用したフレーズですね。感覚的には「物事の中心に迫っていく」といった感覚です。
この他に「catch up」なども「中心に向かうイメージ」の「up」です。動詞「catch」のイメージが「動いているものを捕らえる」というイメージなので、「catch up」その中心に向かって飛びつくような感覚ですね。
look up to(尊敬する)
・He looks up to his father.
・彼は父親を尊敬している
⇒彼が父親を上の存在として目を向けているイメージ
・Do you have anyone to look up to?
・尊敬する人はいますか?
⇒上の存在として目を向けている人の有無を尋ねるイメージ
動詞「look」の「意識して目を向ける」に「up」の「上へ」と「to」の「向かって」が加わって「尊敬する」という意味になります。「look up(上に目を向ける)」+「to(向かって)」なので、こちらもイメージしやすいですね。
look down on(見下す)
・He looks down on me.
・彼は私のことを見下している
⇒彼が私を下の存在として見ているイメージ
・Don’t look down on poor people.
・貧しい人を見下してはダメ
⇒貧しい人々を下の存在として見るイメージ
動詞「look」の「意識して目を向ける」に「down」の「下へ」と「on」の「接触」が加わって「見下す」という意味になります。
注目すべき点として、尊敬するの場合は「to」が使われるのに対し、軽蔑する場合は「on」になる点があげられますが、これはそれぞれの前置詞のイメージからきています。
to・・・到達(方向)を表現する前置詞
on・・・接触を表現する前置詞
感覚的な説明としては、尊敬できる相手は文字通り「到達地点(方向)」なので「to」がぴったりですが、見下している相手には「そういうレッテルを貼る感覚」なので「on」になります。イメージ的には「上からくっつける」というイメージですね。
look through(調べる・~に目を通す・見て見ぬふりをする)
・He looked through the information on Internet.
・彼はその情報をネットで調べた
⇒彼がネットの中に目を通して情報を見るイメージ
・Please look through that document.
・その書類に目を通してください
⇒その書類の内容に一通り目を向けるイメージ
・They look through each other.
・彼らはお互いに見て見ぬふりをする
⇒お互いに相手を通過して目を向けているイメージ
動詞「look」の「意識して目を向ける」に「through」の「通って・~中(端から端まで)」が加わって「調べる」や「目を通す」という意味になります。
また「through」には「通過した結果」のイメージもあるので、人に対して「見て見ぬ振りをする」という意味も作れます。
look into(中を覗く・調べる)
・She looked into the fridge.
・彼女は冷蔵庫を覗いた
⇒彼女が冷蔵庫の中に目を向けるイメージ
・They promised to look into the matter.
・彼らはその件を調査すると約束した
⇒彼らがその件の中に目を向けるイメージ
動詞「look」の「意識して目を向ける」に「into」の「~の中」が加わって「中を覗く」や「調べる」などの意味になります。イメージ通りなので簡単ですね。
●「look over」と「look through」と「look into」の違い
動詞「look」を使った句動詞には「調べる」という意味に訳せるものが多くありますが、それぞれニュアンスが異なります。
・look over・・・・・ざっと調べる(review or monitor)
・look through・・・しっかり調べる(search)
・look into・・・・・内部を調査する(research)
これはそれぞれ前置詞のイメージの差から来ており、前置詞「over」は「上に円弧」なので「表面をざっと見る」、前置詞「through」は「中を通過」なので「しっかりと通して中を見る」、前置詞「into」は「~の中」なので「内部を調査する」といった感じです。
look after(世話をする・面倒を見る)
・I have to look after my child on Sunday.
・日曜日は子供の世話をしなくちゃいけないんだ
⇒子供に目線を向けてついていくイメージ
・Can you look after this?
・これを預かってもらえますか?
⇒これに目線を向けて見ておくイメージ
動詞「look」の「意識して目を向ける」に「after」の「ついていく」が加わって「世話をする」という意味になります。感覚的には「後ろからついていきつつ目を向ける」といった感覚ですね。
「動画で復習しよう」
いかがでしたか?「lookのイメージ」は掴めましたでしょうか?
この「look」という動詞には「意識して目を向けるイメージ」があり、感覚としては「振り返って見る(実際には振り返っていなくても意識して見る)」といった感覚になります。
そして「意識して目を向けるイメージ」は前置詞や副詞との相性も良く、組み合わせることによって「look over」「look through」「look into」など多くの句動詞を生み出します。ですが、どの句動詞も動詞と前置詞・副詞のイメージの賭け合わせになりますので、それぞれのイメージを理解して使い分けをしていくようにしましょう。
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