これで完璧!前置詞「through」の4つの意味と使い方!英語のイメージで表現の幅を広げよう!
前置詞の「through」と言えば、一般的には「~を通して」という意味でお馴染みですよね?
実際、前置詞「through」は日本語で言うところの「~を通して」という意味で使うことができますが、それは前置詞「through」のイメージから生みだされた意味の1つにすぎません。では、他に「through」には、どのような使い方があるのでしょうか?
今回の記事では「throughのイメージと正しい使い方」を例文とイラストでじっくり解説していきます。
この記事の目次
「throughのイメージ」
前置詞「through」のイメージですが「始めから終わりまで通り抜ける」になります。
この「始めから終わりまで通り抜ける」というイメージから、日本語でお馴染みの「~を通して」という意味が生まれてきています。
元々は「電車がトンネルに入って出て行くまでの流れ」が大元になっているため「物理的な通過」や「時間的な通過」を表現することができます。
また、通過した時点に焦点を当てることで「経験」や「終了」も表すことができ、更に物や人を通すことで「手段」や「媒介」を表現することも可能です。
・through the tunnel ⇒ トンネルを通過
・all through the year ⇒ 年間を通して
・get through the exam ⇒ 試験を通過する
・through the internet ⇒ インターネットを通して
※始めから終わりまで通り抜けるから「通過・貫通・経験・終了・手段・原因・媒介」などを表現することができます。
さて、そんな「始めから終わりまで通り抜ける」というイメージがある前置詞「through」ですが、大きく4つの用途に分けることができます。
1.通過・貫通を表す「through」
2.時間的な通過を表す「through」
3.経験・終了を表す「through」
4.手段・原因・媒介を表す「through」
では、せっかくなので、それぞれのか使い方を例文とイラストを交えながら見ていきましょう。
通過・貫通を表す「through」
1つ目の「through」は「通過・貫通を表すthrough」です。具体的な例をあげると「彼は歩いてトンネルを抜けた」や「窓越しに彼女が見える」や「彼女はそのトリックを見抜いた」といった感じで「通過・貫通」を表現することができます。
・He walked through the tunnel.
・彼は歩いてトンネルを抜けた
⇒トンネルの始めから終わりまで(始めから終わりまで通り抜ける)
・She walked through the park.
・彼女は歩いて公園を通り抜けた
⇒公園の始めから終わりまで(始めから終わりまで通り抜ける)
・He was traveling through Europe.
・彼はヨーロッパ中を旅行した
⇒ヨーロッパの隅々まで旅をした(始めから終わりまで通り抜ける)
・I can see her through the window.
・窓越しに彼女が見える
⇒視線が窓を通過する(始めから終わりまで通り抜ける)
・He went through passport control.
・彼はパスポート審査を通過しました
⇒彼が審査を通過する(始めから終わりまで通り抜ける)
・She saw through his inside.
・彼女は彼の内面を見透かした
⇒彼の内面を端から端まで見る(始めから終わりまで通り抜ける)
・She saw through the trick.
・彼女はそのトリックを見抜いた
⇒彼女がそのトリックを見透かす(始めから終わりまで通り抜ける)
前置詞「through」のイメージは「始めから終わりまで通り抜ける」なので、文字通り「通過・貫通」を表現することができます。
時間的な通過を表す「through」
2つ目の「through」は「時間的な通過を表すthrough」です。具体的な例をあげると「彼女は夏の間中ずっと旅行をした」や「一晩中彼は起きていた」や「彼らは月曜日から金曜日まで営業しています」といった感じで「時間的な通過」を表現することができます。
・She traveled all through the summer.
・彼女は夏の間中ずっと旅行をした
⇒夏の初めから終わりまで(始めから終わりまで通り抜ける)
・All through the night, he was awake.
・一晩中彼は起きていた
⇒夜の初めから終わりまで(始めから終わりまで通り抜ける)
・They get a lot of rain all through the year.
・一年中雨が多い
⇒一年の初めから終わりまで(始めから終わりまで通り抜ける)
・The festival runs through a year.
・そのお祭りは一年を通して行われます
⇒一年の初めから終わりまで(始めから終わりまで通り抜ける)
・They are open from Monday through Friday.
・彼らは月曜日から金曜日まで営業しています
⇒月曜日から金曜まで(始めから終わりまで通り抜ける)
前置詞「through」のイメージは「始めから終わりまで通り抜ける」なので、先ほどの「物理的な通過」だけでなく「時間的な通過」を表現することができます。
前置詞「over」と前置詞「through」の違い
前置詞「over」も「through」と同じように「~の間」を表現ことができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
●over ⇒ 比較的短い期間(上に弧)
・They camped here over weekend.
・彼らは週末ここでキャンプをした
⇒週末のスタートからゴールの間
※上に弧⇒超える感覚から時間経過が短い
※上に孤を描く感覚があるため比較的短い期間との相性が良い
前置詞「over」のイメージは「上の方を覆う」なので、週末や休日や祭日といった「比較的短い期間」に使われることが多い。
●through ⇒ 比較的長い期間(中を通過)
・They camped here through the summer.
・彼らは夏の間ここでキャンプをした
⇒夏という期間を通じて
※中を通過⇒期間を突き進む感覚から時間経過が長い
※中を通過する感覚があるため比較的長い期間との相性が良い
前置詞「through」のイメージは「中を通過(始めから終わりまで通り抜ける)」なので、夏の間や年間を通してなど「比較的長い期間」に使われることが多い。
ただし、短い長いといっても、厳密に長さの制限があるわけではないため「over the summer(夏の間)」や「through the night(夜の間)」のように使っても問題ありません。あくまで話者がその期間をどう捉えて使い分けるかによるので、そこまで深く考えなくても大丈夫です。
経験・終了を表す「through」
3つ目の「through」は「経験・終了を表すthrough」です。具体的な例をあげると「彼は最近色々あった」や「彼女は試験を通過した」や「彼は悪い時期を乗り越えた」といった感じで「経験・終了」を表現することができます。
・He has been through a lot lately.
・彼は最近色々あった
⇒いろいろあった期間を乗り越えた(通過した時点に焦点)
・He was through with the book.
・彼はその本を読み終えた
⇒本を始めから終わりまで読み終えた(通過した時点に焦点)
・She got through the exam.
・彼女は試験を通過した
⇒試験を乗り越えた(通過した時点に焦点)
・She was halfway through her homework.
・彼女は宿題を半分終えました
⇒宿題を始めから半分の時点まで終えた(通過した時点に焦点)
・He went through a bad period.
・彼は悪い時期を乗り越えた
⇒悪い時期を乗り越えた(通過した時点に焦点)
前置詞「through」のイメージは「始めから終わりまで通り抜ける」なので、「経験・終了」を表現できます。こちらは「通り抜けた時点」に焦点を当てており、それまでの経験をひっくるめた終了した時点に着目しているのが特徴です。
手段・原因・媒介を表す「through」
4つ目の「through」は「手段・原因・媒介を表すthrough」です。具体的な例をあげると「彼は望遠鏡を通してISSを観ました」や「私は友人を通じて妻と知り合った」や「彼はそのニュースをインターネットで知った」といった感じで「手段・原因・媒介」を表現することができます。
・He watched ISS through the telescope.
・彼は望遠鏡を通してISSを観ました
⇒望遠鏡を通して(始めから終わりまで通り抜ける)
・I made a reservation through the internet.
・インターネットで予約をしました
⇒インターネットを通して(始めから終わりまで通り抜ける)
・I got to know my wife through my friends.
・私は友人を通じて妻と知り合った
⇒友人を通して(始めから終わりまで通り抜ける)
・I heard of her through.
・彼女のことは妻から聞いた
⇒妻を通して(始めから終わりまで通り抜ける)
・He learned the news through the internet.
・彼はそのニュースをインターネットで知った
⇒インターネットを通して(始めから終わりまで通り抜ける)
前置詞「through」のイメージは「始めから終わりまで通り抜ける」なので、物や人を通すことで「手段・原因・媒介」を表現できます。
前置詞「by」と前置詞「through」の違い
前置詞「by」も「through」と同じように「手段」を表現ことができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
・by ⇒ 仕組みを手段として利用(受動的)
・through ⇒ 主語自身が行動して利用(能動的)
具体的な例文を見ながらイメージすると感覚が掴みやすいので例文を見てみましょう。
・We keep in touch by SNS.
・私たちはSNSで連絡を取り合っています
⇒SNSの仕組みを利用して連絡を取り合う
・We keep in touch through SNS.
・私たちはSNSで連絡を取り合っています
⇒SNSを通して連絡を取り合う
どちらの前置詞も「SNSを使って」という感じで訳されますが、前置詞「by」は「SNSの仕組みを利用して・影響を受けて」といったイメージなのに対し、前置詞「through」は「SNSを通して・介して」といったイメージになります。
なので、下記のように前置詞「through」の方は「~を介して」といった感覚が強いです。
× She succeeded through hard work.
× 彼女は一生懸命働いて成功した
⇒前置詞「by」は「影響を受けて(受動的)」なので使えない
○ She succeeded through hard work.
○ 彼女は一生懸命働いて成功した
⇒前置詞「through」は「主語自身が行動して(能動的)」なのでOK
上の例文を比べて見てみるとイメージの違いが分かりやすいですよね。実際「一生懸命働くこと」は能動的にやることなので、前置詞「by(受動的な感覚)」は使うことができません。
「動画で復習しよう」
いかがでしたか?「throughのイメージ」は掴めましたでしょうか?
前置詞「through」は一般的には「~を通して」という意味で使われていますが、それは「始めから終わりまで通り抜ける」というイメージから生まれてきています。
この「始めから終わりまで通り抜けるイメージ」は元々は「電車がトンネルに入って出て行くまでの流れ」から発展したイメージのため、トンネルや公園などの「物理的な通過」だけでなく、ある一定に期間といった「時間的な通過」も表すことができます。
また、通過した時点に焦点を当てることで「経験」や「終了」も表すことができ、更に物や人を通すことで「手段」や「媒介」を表現することも可能です。
幅広く応用が利く前置詞なので、しっかりとイメージを掴んで使いこなしていくようにしましょう。
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