徹底解説!carryと基本文型!よく使われる熟語やイディオムを例文で紹介!
今回の記事では「carryの文型」や「carryを使った熟語やイディオム」をまとめてみました。
英語は動詞ひとつとっても「全体の構造や文脈や他の単語との組み合わせ」で意味が変わるので、慣れていないと難しいですよね?
この記事では、そんなモヤモヤを払拭できるように「carryを使った表現」を徹底的に解説してみたので、ぜひ参考にしてみてください。
carryのコアイメージ
まず、carryの英語本来のイメージは「何かを持って移動」です。
この「何かを持って移動」というイメージから、よく使われる「運ぶ」という意味が生まれています。
その他にも「伝える・広まる・帯びる・保持する・支える・耐える・通る・通過させる・支持される」など、「何かを持って移動する間隔」があれば、使うことができます。
●何かを持って移動
1.運ぶ・運搬する
2.伝える・広まる
3.帯びる・保持する
4.支える・耐える
5.通る・通過させる・支持される
その中でも特によく使われるのが上記の5つです。もちろん、コアイメージの「何かを持って移動」が適用できるのであれば、上記の日本語訳以外にも使うことができます。
carry(運ぶ・運搬する)
carryのイメージは「何かを持って移動」なので、そこから「運ぶ・運搬する」などの意味になります。
・He carried my luggage to the room.
・彼は私の荷物を部屋まで運んでくれた
⇒彼が私の荷物を持って移動したイメージ
・This ship carries 1,000 passengers.
・この船は千人の乗客を運びます
⇒船が千人の乗客を持って移動したイメージ
・Hard work carried me to the top of my profession.
・懸命な努力のおかげで私は業界の頂点に上り詰めました
⇒懸命な努力が私を持って移動したイメージ
carry(伝える・広まる)
carryのイメージは「何かを持って移動」なので、そこから「伝える・広まる」などの意味になります。
・X carried the news all over the world.
・Xはそのニュースを世界中に伝えた
⇒Xがそのニュースを持って移動する(ニュースが広まる)イメージ
・Some diseases are carried by mosquitos.
・病気の中には蚊によって広まるものがある
⇒蚊が病気持って移動する(病気を広める)イメージ
・The war was carried into all over the world.
・戦争は世界中に波及した
⇒状況が戦争を持って移動する(戦争が広まる)イメージ
carry(帯びる・保持する)
carryのイメージは「何かを持って移動」なので、そこから「帯びる・保持する」などの意味になります。
・He had to carry responsibility.
・彼は責任を背負っていかなければならない
⇒彼が責任を持って移動するイメージ
・His wrok carries a risk.
・彼の仕事には危険が伴う
⇒彼の仕事は危険を持って行われるイメージ
・I will carry this secret to my grave.
・私はこの秘密を墓場まで持っていきます
⇒死ぬまで秘密を持って移動するイメージ
carry(支える・耐える)
carryのイメージは「何かを持って移動」なので、そこから「支える・耐える」などの意味になります。
・The bridge is carried on 4 posts.
・橋は4本の柱で支えられています
⇒4本の柱が橋を持って移動する(時間の経過)のイメージ
・I can carry my own weight.
・私は重圧に耐えることができる
⇒彼が重圧を持って移動する(時間の経過)のイメージ
carry(通る・通過させる・支持される)
carryのイメージは「何かを持って移動」なので、そこから「通る・通過させる・支持される」などの意味になります。
・The bill was carried unanimously.
・この法案は全会一致で可決された
⇒法案が議会を通過する(持って移動)イメージ
・He carried his point.
・彼は自分の主張を貫いた
⇒彼が自分の主張を通過させる(持って移動)イメージ
・The candidate carried 10,000 votes.
・その候補者は1万票を獲得した
⇒支持者が候補者が持って移動(1万票で支えた)イメージ
carryは「何かを持って移動」というイメージです。
上記で紹介した「支える・耐える」など、一見すると「何かを持って移動」といったイメージが無いものもありますが「持って移動している間(時間が経過している間)は支えている・耐えている」とも取れます。
また「支持される」は「支持者が候補者を支えている」ので、そこから生まれた意味になります。
【持ち歩くモノによく使われる】
実際、日本語でも持ち運ぶカバンを「キャリーケース(suitcase)」と呼びますし、何かの病気の保菌者を「キャリア(disease carrier)」と呼んだりしますよね?これらも「何かを持って運ぶイメージ」からきています。
carryのイメージ ⇒ carryのイメージを掴んで英会話の幅を広げよう!
carryの文型
基本5文型 | 品詞(句・節など) | 一般的な日本語訳 |
第一文型 (S+V) |
carry carry + 前置詞/副詞 |
伝わる・届くなど 騒ぐなど(※前置詞/副詞による) |
第三文型 (S+V+O) |
carry + 名詞 | Oを運ぶ・運搬するなど Oを伝える・広まるなど Oを帯びる・保持するなど Oを支える・耐えるなど Oを通る・通過させるなど |
carryは第一文型、第三文型に使うことができます。どの文型に使うにせよ「何かを持って移動」を意識するようにしましょう。
第一文型(S+V)
基本5文型 | 品詞(句・節など) | 一般的な日本語訳 |
第一文型 (S+V) |
carry carry + 前置詞/副詞 |
伝わる・届くなど 騒ぐなど(※前置詞/副詞による) |
第一文型は「主語の単純な動作を表現する文」を作ります。
carryは「何かを持って移動」というイメージです。第一文型に使った場合は「伝わる・届く・騒ぐ」などの意味になり「主語自身の単純な動作」を表します。
carry「伝わる・届く」など
・The sound does not carry well.
・音がうまく伝わらない
⇒音が移動するイメージ
・This rifle carries will a half mile.
・このライフルの射程は半マイルです
⇒ライフルが半マイル移動するイメージ
主な訳し方としては「伝わる・届く」などになります。感覚的には「何かが移動する感覚」ですね。
carry + 前置詞/副詞「騒ぐ(※前置詞/副詞による)」など
・They carried on in public.
・彼らは公の場で騒いだ
⇒彼らが活動が続く(音が鳴り続ける)イメージ
主な訳し方としては「騒ぐ(※句動詞による)」などになります。感覚的には「活動した状態が続く感覚」です。少しイメージするのが難しいですが「活動が続く⇒音が鳴り続ける(騒ぐ)」といった感じになります。
第三文型(S+V+O)
基本5文型 | 品詞(句・節など) | 一般的な日本語訳 |
第三文型 (S+V+O) |
carry + 名詞 | Oを運ぶ・運搬するなど Oを伝える・広まるなど Oを帯びる・保持するなど Oを支える・耐えるなど Oを通る・通過させるなど |
第三文型は「主語が何かに動詞の動作の影響を与える文」を作ります。
carryは「何かを持って移動」というイメージです。第三文型に使った場合は「Oを運ぶ・運搬する・伝える・広まる・保持する・支える・通る」などの意味になり「主語がOに運ぶなどの影響を与える文を作ること」ができます。
carry + 名詞「Oを運ぶ・伝える・保持する・支える・通る」など
・The wind carried the pollen to people.
・風が花粉を人々に運んだ
⇒風が花粉を持って移動したイメージ
・She carried the news to them.
・彼女はその知らせを彼らに伝えた
⇒彼女がその知らせを持って移動した(広めた)イメージ
・That task carries responsibility.
・その仕事には責任が伴います
⇒仕事が責任を伴って行われるイメージ
・The money will carry me for a week.
・そのお金で一週間は生きていけます
⇒お金が一週間の生活を支えるイメージ
・Her voice carries very well in this hall.
・彼女の声はこのホールによく通ります
⇒空間が音を持って運ぶイメージ
主な訳し方としては「Oを運ぶ・運搬する・伝える・広まる・帯びる・保持する・支える・耐える・通る・通過させる・支持される」などになります。感覚的には「何かを持って移動する(何かを支えたまま時間が経過する)感覚」です。
carryを使った熟語やイディオム
熟語・イディオム | carryの表現 | 一般的な日本語訳 |
carry | carry across carry away carry off carry on carry out carry over carry through |
運ばれる・渡す・流されるなど 運び去る・持ち去る・調子に乗る・夢中になるなど 運び去る・さらう・奪う・獲得する・勝ち取るなど 続ける・経営する・進み続けるなど 実行する・果たす・成し遂げるなど 持ち越すなど やり通す・成し遂げる・遂行する・やり抜くなど |
最後に、よく使われる「carryを使った熟語」をまとめてみました。せっかくなので、例文とイラストを交えてご紹介しようと思います。
carry across「運ばれる・渡す・流される」など
1.carry across「運ばれる・渡す・流される」など
・The coal was carried across US.
・石炭はアメリカ全土に運ばれました
⇒石炭がアメリカ全土を横切って運ばれたイメージ
・They were carried across a river by the boat.
・彼らはボートで川を渡った
⇒ボートが川を横切って彼らを運んだイメージ
・The news was carried across all over the world.
・そのニュースは世界中に伝えられた
⇒ニュースが世界中を横切って広められたイメージ
2つのイメージ「carry:何かを持って移動」+「across:平面を横切る」で「運ばれる・渡す・流される」などの意味になります。感覚としては「何かを持って平面を横切る感覚」です。
carry away「運び去る・持ち去る・調子に乗る・夢中になる」など
1.carry away「運び去る・持ち去る」など
・The flood carried away a house.
・洪水で家が流されてしまった
⇒洪水が家を離れた場所まで持って移動したイメージ
・He carried away his desk from the class room.
・彼は教室から机を持ち去った
⇒彼が机を教室から離れた場所まで持って移動したイメージ
2つのイメージ「carry:何かを持って移動」+「away:離れる」で「運び去る・持ち去る」などの意味になります。感覚としては「何かを持って離れた場所に移動する感覚」です。
2.carry away「調子に乗る・夢中になる」など
・Don’t get carried away!
・調子に乗るな!
⇒心が本来の場所から離れた場所へ移動したイメージ
・He carried away with playing the video game.
・彼はゲームに夢中になった
⇒彼の心が本来の場所から離れた場所へ移動したイメージ
・He got carried away in Las Vegas.
・彼はラスベガスでハメを外しすぎた
⇒彼の心が本来の場所から離れた場所へ移動したイメージ
2つのイメージ「carry:何かを持って移動」+「away:離れる」で「調子に乗る・夢中になる」などの意味になります。感覚としては「心が離れた場所に移動する感覚」です。
carry off「運び去る・さらう・奪う・(賞などを)獲得する・勝ち取る」など
1.carry off「運び去る・さらう・奪う」など
・Cancer carried him off.
・癌が彼の命を奪った
⇒癌が彼の命を離れた場所へ持って行ったイメージ
・He tried to carry off a girl.
・彼は少女を連れ去ろうとした
⇒彼が少女を離れた場所へ持って行ったイメージ
・The rescue team carried him off on a litter.
・救助隊は彼を担架に乗せて運び去った
⇒救助隊が彼を離れた場所へ持って行ったイメージ
2つのイメージ「carry:何かを持って移動」+「off:離れている(分離・停止・休止)」で「運び去る・さらう・奪う」などの意味になります。感覚としては「何かを離れたところへ運び去る感覚」です。
2.carry off「(賞などを)獲得する・勝ち取る」など
・He carried off the 1st prize.
・彼は1位を勝ち取った
⇒1位を掻っ攫う(離れた場所へ持っていく)イメージ
・The movie will carry off the Academy Awards.
・この映画はアカデミー賞を獲得するだろう
⇒アカデミー賞を掻っ攫う(離れた場所へ持っていく)イメージ
2つのイメージ「carry:何かを持って移動」+「off:離れている(分離・停止・休止)」で「獲得する・勝ち取る」などの意味になります。感覚としては「賞などを離れたところへ移動させる感覚」です。
carry on「続ける・経営する・進み続ける」など
1.carry on「続ける・経営する・進み続ける」など
・We will carry on a campaign.
・キャンペーンを実施いたします
⇒キャンペーンをし続けるイメージ
・He carried on the family business.
・彼は家業を引き継ぎました
⇒家業を営み続けるというイメージ
・They carried on with the procedure.
・彼らは手続きを続けた
⇒彼らが手続きをし続けたイメージ
2つのイメージ「carry:何かを持って移動」+「on:進行中・続けて」で「続ける・経営する・進み続ける」などの意味になります。感覚としては「何かを持って移動し続ける感覚」ですね。
carry out「(作業や計画や調査などを)実行する・果たす・成し遂げる」など
1.carry out「(作業や計画や調査などを)実行する」など
・He carried out a bank robbery.
・彼は銀行強盗を実行した
⇒彼が銀行強盗を結果が出るまでやったイメージ
・He carried out scientific research.
・彼は科学調査を行った
⇒彼が科学の調査を結果が出るまでやったイメージ
・He carried out a careful inspection.
・彼は念入りに点検した
⇒彼が点検を結果が出るまでやったイメージ
2つのイメージ「carry:何かを持って移動」+「out:内から外へ」で「(作業や計画や調査を)実行する」などの意味になります。感覚としては「結果が出るまで運ぶ感覚」です。
2.carry out「(約束や計画や作業などを)果たす・成し遂げる」など
・He did not carry out her promise.
・彼は約束を果たさなかった
⇒彼が約束を結果を出さなかった(最後までやり切れない)イメージ
・He carried out his responsibility.
・彼は自分の責任を果たした
⇒彼が自分の責任を結果を出した(最後までやり切った)イメージ
・He carried out revolution.
・彼は革命を成し遂げた
⇒彼が革命の結果を出した(最後までやり切った)イメージ
2つのイメージ「carry:何かを持って移動」+「out:内から外へ」で「(約束や計画や作業などを)果たす・成し遂げる」などの意味になります。感覚としては「結果が出るまで運ぶ感覚」です。
「carry on」と「carry out」の違い
■「carry on」と「carry out」のニュアンスの違い
・carry on ⇒ 継続してやる(運ぶ状態の継続)
・carry out ⇒ 最後までやる(結果が出るまで運ぶ)
実際に例文を見ると以下のようになります。
・He carried on the family business.
・彼は家業を引き継ぎました
⇒継続(on:進行中・続けて)
・He carried out scientific research.
・彼は科学調査を行った
⇒実行(out:内から外へ)
似たような意味ですが、句動詞「carry on」は「続ける(運ぶ状態の継続)」なのに対し、句動詞「carry out」は「最後までやる(結果が出るまで運ぶ)」といった感じです
carry over「持ち越す」など
1.carry over「持ち越す」など
・His irritation carried over into his work.
・彼のイライラは仕事にも影響を及ぼした
⇒イライラした感情を持ち越してきたイメージ
・The prize money was carried over.
・賞金は持ち越された
⇒賞金を持ち越したイメージ
・They carried over the agenda to the next meeting.
・彼らはその議題を次の会議に持ち越した
⇒彼らがその議題を次の会議へ持ち越したイメージ
2つのイメージ「carry:何かを持って移動」+「over:上の方を覆って(位置・超える動き・終了・端から端)」で「持ち越す」などの意味になります。感覚としては「何かを超えて運ぶ感覚」です。
carry through「やり通す・成し遂げる・遂行する・やり抜く」など
1.carry through「やり通す・成し遂げる・遂行する・やり抜く」など
・They carried through a plan.
・彼らは計画を遂行した
⇒彼らが計画を運び切ったイメージ
・He must carry the task through to the end.
・彼はその仕事を最後までやり遂げなければならない
⇒彼がその仕事を最後まで運び切るイメージ
2つのイメージ「carry:何かを持って移動」+「through:始めから終わりまで通り抜ける」で「やり通す・成し遂げる・遂行する・やり抜く」などの意味になります。感覚としては「通り抜けて運び切る感覚」です。
「carry out」と「carry through」の違い
■「call in」と「carry through」のニュアンスの違い
・carry out ⇒ 最後までやる(結果が出るまで運ぶ)
・carry through ⇒ やり抜く(貫き通す)
実際に例文を見ると以下のようになります。
・He carried out scientific research.
・彼は科学調査を行った
⇒実行(out:内から外へ)
・He carried through scientific research.
・彼は科学調査を遂行した
⇒遂行(through:始めから終わりまで通り抜ける)
句動詞「carry out」は「最後までやる(結果が出るまで運ぶ)」なのに対し、句動詞「carried through」は「やり抜く(貫き通す)」といった感じです。
いかがでしたでしょうか?
今回の記事では「carryが使われている表現」をまとめてみました。
carryは「運ぶ」という意味でお馴染みですが、本来のイメージは「何かを持って移動」です。そのことから「運ぶ・伝える・広まる・帯びる・保持する・支える・耐える・通る・通過させる・支持される」などを表現することができます。
ポイントは、物理的に何かを持って移動していなくても、支えるなど「何かを支えながら時間が流れている状態」にも適用できる点です。
一般的に知られている「運ぶ(物理的な何かを持って移動)」よりも、「保持する・支える・耐える(何かを保持した状態で時間が経過)」という意味で使われることが多いので覚えておきましょう。
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英語の本来のイメージを『ネイティブ感覚インストール講座』にてお伝えしております。当サイトではお伝えしていない内容も動画で配信中。
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