これで完璧!前置詞「to」の4つの意味と使い方!英語のイメージで表現の幅を広げよう!
前置詞の「to」と言えば、一般的には「~へ」という意味でお馴染みですよね?
実際、前置詞「to」は日本語で言うところの「~へ」という意味で使うことができますが、それは前置詞「to」のイメージから生みだされた意味の1つにすぎません。では、他に「to」には、どのような使い方があるのでしょうか?
今回の記事では「toのイメージと正しい使い方」を例文とイラストでじっくり解説していきます。
この記事の目次
「toのイメージ」
前置詞「to」のイメージですが「到達点」になります。
この「到達点」というイメージは「人や物や出来事などが目的の地点にたどり着くこと」が前提となっているため、必ず「目的地(到達点)」が存在します。つまり、前置詞「to」を使う場合は「それがたどり着く人や物や場所などの対象が必要」になります。
・go to school ⇒ 学校へ行く
・face to face ⇒ 向かい合って
・the key to the safe ⇒ 金庫に合う鍵
・live to be a hundred ⇒ 100歳まで生きる
※到達点のイメージから「方向・目的・対象・対比・性質・関係・限界」などが表現できる
※たどり着く先(到達点)が必要
さて、そんな「到達点」のイメージがある前置詞「to」ですが、大きく4つの用途に分けることができます。
1.方向・目的・対象を表す「to」
2.対比・対立を表す「to」
3.関係・結合・付加を表す「to」
4.結果・範囲・限界「to」
では、せっかくなので、それぞれのか使い方を例文とイラストを交えながら見ていきましょう。
方向・目的・対象を表す「to」
1つ目の「to」は「方向・目的・対象を表すto」です。具体的な例をあげると「学校へ行く」や「彼女にそれをあげる」や「英語を学びにニューヨークへ行く」といった感じで「方向・目的・対象」を表現できます。
・They goes to school.
・彼女らは学校へ行きます
⇒学校という到達点
※冠詞がない「school」なので学ぶ場という意味での学校
・I gave it to her.
・私は彼女にそれをあげました
⇒彼女という到達点
・She is kind to other.
・彼女は他者に優しい
⇒やさしさの到達点
・She went to NY to study Enlish.
・彼女はニューヨークへ英語を学びに行った
⇒ニューヨークという到達点
⇒英語を学ぶという目的(到達点)
・The lights changed from red to green.
・信号は赤から緑へ変わった
⇒青という到達点
前置詞「to」のイメージは「到達点」なので、人や物などの物理的なモノの到達点を表現できます。また、実際に目に見えるものだけでなく、優しさなど非物理的なモノでもOKです。
前置詞「to」と前置詞「toward」の違い
前置詞「toward」も「to」と同じように「方向」を表現することができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
・I took a train to Ikebukuro.
⇒私は電車で池袋に行った
※前置詞「to」は到達地点を表現
※池袋が目的地
・I took a train toward Ikebukuro.
⇒池袋を方面の電車に乗った
※前置詞「toward」は対象を示す
※池袋方面の電車に乗った
前置詞「to」は「到達点のイメージ」なので、方向の意味で使った場合は「その場所への到達」を意味します。一方の前置詞「toward」は「対象を示すイメージ」なので、「あくまでその方向を示す電車に乗った」だけです。つまり、そちらの方面に向かったという意味になり、池袋で下車したかどうかは不明です。
前置詞「for」と前置詞「to」の違い
前置詞「to」も「for」と同じように「方向」を表現することができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
・He ran to the sea.
⇒海を目指して走った
※前置詞「to」は到達地点を表現
※到達地点なので実際に海に到達している
・He ran for the sea.
⇒海を目指して走った
※前置詞「for」は目的地を表現
※目的地なので実際に海に到達したかは不明
前置詞「to」は「到達地点を指す」ので、方向の意味で使った場合は「その場所への到達」を意味します。一方の前置詞「for」は「目的地」なので、「あくまでその目的地へ向かう」だけなので、到達したかどうかは不明です。
実は、この「to(到達点)」と「for(目的地)」のニュアンスの違いは、実際に英文を作る際に重要で「動詞との相性」を意識しないといけません。
せっかくなので、実際に例文を見ながらその感覚を掴んでいきしょう。
・I give a bag to her.
・彼女にバッグをあげました
⇒あげるという動作には「受け取る相手」が必要
※受け取る相手=到達点
・I bought a bag (for her).
⇒私は(彼女に)バッグ買いました
⇒買うという動作には「買ってあげる相手」は必ずしも必要ではない
※自分のためにも買える=到達点があるとは限らない
このように、その動詞に到達点が含まれているか否かで「to(到達点)」と「for(目的地)」を使い分ける必要があります。
少し難しいので、更に例文を見ながら「to(到達点)」と「for(目的地)」の違いをチェックしてみましょう。
× She teaches English for him.
× 彼女は彼のために英語を教えている
○ She teaches English to him.
○ 彼女は彼に英語を教えている
⇒教えるという動作には「教わる相手」が必要(到達点)
教える動作には「教わる相手(到達点)」が必要になるので、前置詞「for(目的地)」は使うことができない。
× She cooked dinner to him.
× 彼女は彼のために夕食を作った
○ She cooked dinner for him.
○ 彼女は彼のために夕食を作った
⇒作るという動作には「作ってあげる相手」は必ずしも必要ではない
作る動作には「作ってあげる相手(到達点)」は必ずしも必要というわけではないので、前置詞「to(到達点)」は使うことができない。
この「to(到達点)」と「for(目的地)」のニュアンスの違いが分かると、使い分けができるようになるので非常に便利ですね。
こちらも注目 ⇒ 前置詞「for」のイメージ
対比・対立を表す「to」
2つ目の「to」は「対比・対立を表すto」です。具体的な例をあげると「円とドルの交換率」や「面と向かって」や「2対1」といった感じで「対比・対立など」を表現できます。
・He is senior to us.
・彼は我々より年上だ
⇒彼と自分たちとの対比
・What’s the exchange rate for US dollars to Japanese yen?
・ドルと円の交換率はいくらですか?
⇒ドルと円の対比
・I prefer candies to chocolates.
・私はチョコレートよりキャンディーが好きです
⇒チョコレートと飴の対比
・They sit face to face.
・彼らは向かい合って座った
⇒顔と顔の対立(面と向かって)
・The Japanese team beat the Germany team by 2 to 1.
・日本代表がドイツ代表に2対1で勝った
⇒日本代表とドイツ代表の得点の対比
前置詞「to」のイメージは「到達点」ですが、「こちらから相手へ向かう感覚」と「相手からこちらへ向かう感覚」がぶつかることで「対比」や「対立」の意味を生み出すことができます。
関係・結合・付加を表す「to」
3つ目の「to」は「関係・結合・付加を表すto」です。具体的な例をあげると「音楽に合わせて踊る」や「サッカー部に所属」や「ガムが靴底にくっつく」といった感じで「関係・結合・付加・結果など」を表現できます。
・They danced to the music.
・彼らは音楽に合わせて踊りました
⇒音楽とダンスのつながり
・He belongs to soccer club.
・彼はサッカー部に所属している
⇒彼とサッカー部の関係
・I’m sorry to hear that.
・それを聞いて悲しい
⇒感情とそれのつながり
・Attach your photo to your application form.
・写真を申請書に添付しなさい
⇒申請書へ写真を付加
・Chewing gum stuck to the bottom of my shoe.
・ガムが靴底にくっついた
⇒ガムと靴底の結合
・To my surprise, she left the company.
・驚いたことに彼女は会社を辞めた
⇒感情とニュースのつながり
・I couldn’t find the key to the safe.
・その金庫に合う鍵を見つけられなかった
⇒鍵と金庫の関係
前置詞「to」のイメージは「到達点」ですが、こちらから相手へ向かう感覚と相手からこちらへ向かう感覚がつながることで「関係・結合・付加など」の意味を生み出すことができます。上の例文の「靴底に付いたガム」や「金庫に合う鍵」は分かりやすい例ですね。
結果・範囲・限界を表す「to」
4つ目の「to」は「結果・範囲・限界を表すto」です。具体的な例をあげると「成長して医者になる」や「9時から5時」や「百歳まで生きた」といった感じで「結果・範囲・限界など」を表現できます。
・He grew up to be a doctor.
・彼は成長して医者になった
⇒彼が成長した結果
・I work from 9 to 5.
・私は9時から5時まで働きます
⇒5時という到達点
・She lived to be a hundred.
・彼女は百歳まで生きた
⇒百歳という到達点
・It’s 5 to 10.
・10時5分前
⇒10時という到達点
・I will fight to the end.
・私は最後まで戦うつもりだ
⇒最後という到達点
・Our hotel can accommodate up to 500 guests.
・私たちのホテルは500人までの客を収容できる
⇒500人という到達点
前置詞「to」のイメージは「到達点」なので、その到達点をゴールとすることで「結果・限界など」も表現できます。また、出発点と到達点の両方を意識すると「範囲」にもなりますね。
前置詞「to」と前置詞「by」の違い
前置詞「by」も「to」と同じように「対比をする」ことができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
・to ⇒ 増えていくつになったか
※toの後ろには最終的に達した数字
・by ⇒ いくつ増えたか
※byの後ろには増えた分の数字
具体的に例文を書くとこうです↓
・The government increased the consumption tax to 10%.
・政府は消費税を8%に引き上げた
⇒10%という税率まで
※前置詞「to」のイメージは到達点
・The government increased the consumption tax for 2%.
・政府は消費税を2%引き上げた
⇒更に2%の引き上げ
※前置詞「by」のイメージはすぐ側
例文を見てみても、それぞれの前置詞のイメージが生きているのが分かりますね。
こちらも注目 ⇒ 前置詞「by」のイメージ
「動画で復習しよう」
いかがでしたか?「toのイメージ」は掴めましたでしょうか?
前置詞「to」は一般的には「~へ」という意味で使われていますが、それは「到達点」のイメージから生まれています。
この「到達点」というイメージは「人や物や出来事などが目的の地点にたどり着くこと」が前提となっているため、必ず「目的地(到達点)」が存在します。つまり、前置詞「to」を使う場合は、前置詞「to」を使う場合は「それがたどり着く人や物や場所などの対象が必要」になります。
必ずたどり着く場所があるという点で、似たような意味を生み出すことができる「toward」や「for」や「by」などとは異なります。しっかりと感覚を掴んで使い分けてるようにしましょう。
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