これで完璧!前置詞「for」の6つの意味と使い方!英語のイメージで表現の幅を広げよう!
前置詞の「for」と言えば、一般的には「~のために」という意味でお馴染みですよね?
実際、前置詞「for」は日本語で言うところの「~のために」という意味で使うことができますが、それは前置詞「for」のイメージから生みだされた意味の1つにすぎません。では、他に「for」には、どのような使い方があるのでしょうか?
今回の記事では「forのイメージと正しい使い方」を例文とイラストでじっくり解説していきます。
この記事の目次
「forのイメージ」
前置詞「for」のイメージですが「向かう・目の前の方向」になります。
この「向かうイメージ」は、例えるなら「両腕を広げた先」つまり「両腕を広げた領域とその方向」を意識する感覚になり、そこから「方向」や「目的」などの意味を生み出します。
・for Tokyo ⇒ 東京へ
・not for sale ⇒ 非売品
・for $10 ⇒ 10ドルで
・cried for joy ⇒ 嬉し泣き
・for a minute ⇒ 少しの間
・for me ⇒ 私にとって
※両腕を広げた先「方向・範囲」が「for」から連想されるイメージ
さて、そんな「向かう・目の前の方向」のイメージがある前置詞「for」ですが、大きく6つの用途に分けることができます。
1.方向を表す「for」
2.目的・目標・追求を表す「for」
3.交換・対価・代償を表す「for」
4.原因・理由を表す「for」
5.時間を表す「for」
6.観点・基準を表す「for」
では、せっかくなので、それぞれのか使い方を例文とイラストを交えながら見ていきましょう。
方向を表す「for」
1つ目の「for」は「方向を表すfor」です。具体的な例をあげると「パリへ向かう」や「君へのプレゼント」や「ABC銀行に勤める」など「方向」を表現できます。
・They left for Paris.
・彼らはパリへ向かった
⇒パリの方向
・This is a present for you.
・これはあなたへのプレゼントです
⇒あなたの方向(あなたのために)
・I set the alarm for 5 o’clock.
・目覚ましを5時にセットしました
⇒5時という方向
・He works for the ABC bank.
・彼はABC銀行に勤めています
⇒所属している方向
・I’m for his new plan.
・私は彼の新しい計画に賛成です
⇒彼の計画に心が向いている
前置詞「for」のイメージは「 向かう・目の前の方向」なので「自身が両腕を広げた方向」を表現できます。この「自身が両腕を広げた方向」というのは、実際に両腕を広げているわけではなく、あくまでイメージです。
前置詞「for」と前置詞「to」の違い
前置詞「to」も「for」と同じように「方向」を表現することができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
・He ran to the sea.
⇒海を目指して走った
※前置詞「to」は到達地点を表現
※到達地点なので実際に海に到達している
・He ran for the sea.
⇒海を目指して走った
※前置詞「for」は目的地を表現
※目的地なので実際に海に到達したかは不明
前置詞「to」は「到達地点を指す」ので、方向の意味で使った場合は「その場所への到達」を意味します。一方の前置詞「for」は「目的地」なので、「あくまで目的地へ向かう」だけ、つまり、到達したかどうかは不明です。
実は、この「to(到達点)」と「for(目的地)」のニュアンスの違いは、実際に英文を作る際に重要で「動詞との相性」を意識しないといけません。
せっかくなので、実際に例文を見ながらその感覚を掴んでいきしょう。
・I give a bag to her.
・彼女にバッグをあげました
⇒あげるという動作には「受け取る相手」が必要
※受け取る相手=到達点
・I bought a bag (for her).
⇒私は(彼女に)バッグ買いました
⇒買うという動作には「買ってあげる相手」は必ずしも必要ではない
※自分のためにも買える=到達点があるとは限らない
このように、その動詞に到達点が含まれているか否かで「to(到達点)」と「for(目的地)」を使い分ける必要があります。
少し難しいので、更に例文を見ながら「to(到達点)」と「for(目的地)」の違いをチェックしてみましょう。
× She teaches English for him.
× 彼女は彼のために英語を教えている
○ She teaches English to him.
○ 彼女は彼に英語を教えている
⇒教えるという動作には「教わる相手」が必要(到達点)
教える動作には「教わる相手(到達点)」が必要になるので、前置詞「for(目的地)」は使うことができない。
× She cooked dinner to him.
× 彼女は彼のために夕食を作った
○ She cooked dinner for him.
○ 彼女は彼のために夕食を作った
⇒作るという動作には「作ってあげる相手」は必ずしも必要ではない
作る動作には「作ってあげる相手(到達点)」は必ずしも必要というわけではないので、前置詞「to(到達点)」は使うことができない。
この「to(到達点)」と「for(目的地)」のニュアンスの違いが分かると、使い分けができるようになるので非常に便利ですね。
目的・目標・追求を表す「for」
2つ目の「for」は「目的・目標・追求を表すfor」です。具体的な例をあげると「鍵を探す」や「非売品」など「目的・目標・追求」などを表現できます。
・Let’s go for a walk.
・散歩に行きましょう
⇒散歩が目的
・I’m looking for the key.
・鍵を探しています
⇒鍵を探し求める
・This is a book for pronunciation exercise.
・これは発音練習の本です
⇒発音の練習が目的の本
・These books are not for sale.
・これらの本は売り物ではありません
⇒販売が目的の本ではない
・This is for cutting wood.
・これは木を切るためのものです
⇒用途は木を切ること
前置詞「for」のイメージは「向かう・目の前の方向」なので、「目的・目標・追求・用途」などを表現できます。この辺は「両腕を広げた領域とその方向」という感覚からイメージできますね。
交換・対価・代償を表す「for」
3つ目の「for」は「交換・対価・代償を表すfor」です。具体的な例をあげると「本を10ドルで買う」や「日本円をアメリカドルに両替する」といった感じで「交換・対価・代償」を表現します。
・I bought the book for $10.
・それを10ドルで買いました
⇒お金と本の交換
・I exchanged JPY for USD.
・日本円をアメリカドルに両替した
⇒円とドルの交換
・Say hi to him for me.
・彼によろしくね
⇒私の代わりに言う
・She bought it for him.
・彼女は彼の代わりにそれを買った
⇒彼の代わりにそれを買う
前置詞「for」のイメージは「向かう・目の前の方向」なので、「その方向に交換したいモノがある」といった感覚になります。
原因・理由を表す「for」
4つ目の「for」は「原因・理由を表すfor」です。具体的な例をあげると「嬉し泣き」や「○○で知られている」といった感じで「動作や物事の原因や理由」を表現できます。
・Thank you for your help.
・助けてくれてありがとう
⇒お礼の理由
・He was punished for speeding.
・彼はスピード違反をして罰せられた
⇒罰の理由
・I cried for joy.
・私はうれし泣きをした
⇒泣いた理由
・This town is known for its wine.
・この街はワインで知られている
⇒街が有名な理由
前置詞「for」のイメージは「向かう・目の前の方向」なので、「その方向に原因や理由がある」といった感覚です。
時間を表す「for」
5つ目の「for」は「時間を表すfor」です。具体的な例をあげると「長い間」や「十年間」といった感じで「期間(時間)」を表現できます。
・I haven’t seen her for a long time.
・長い間彼女と会っていません
⇒長い間という期間
・He has lived in Tokyo for ten years.
・彼は東京に10年間住んでいます
⇒10年間という期間
・She stayed there for a while.
・彼女はそこにしばらく滞在した
⇒しばらくという期間
前置詞「for」のイメージは「向かう・目の前の方向」ですが、そちらは「両腕を広げた領域とその方向」から来ています。時間を表す際には「その広げた両腕の範囲」で時間の幅を示しているといった感じになります。
前置詞「for」と前置詞「during」の違い
前置詞「during」も「for」と同じように「期間」を表現することができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
・for ⇒ どれくらいの期間なのかに注目
・during ⇒ どの期間の出来事かに注目
・They took his vacation for a week during summer.
・彼らは夏の間に1週間の休暇を取った
⇒「夏の間(during summer)」に「1週間(for a week)」
前置詞「for」は「どれくらいの期間なのかに注目」しているのに対し、前置詞「during」は「どの期間の出来事かに注目」しています。
つまり「夏の間(どの期間)に1週間(どれくらいの期間)」ですね。
観点・基準を表す「for」
6つ目の「for」は「観点・基準を表すfor」です。具体的な例をあげると「私にとって」や「年の割りに」といった感じで「観点や基準」を表現できます。
・It’s easy for me to do the job.
・その仕事は私には簡単だ
⇒私という基準
・She looks young for her age.
・彼女は年齢の割に若く見える
⇒年齢という基準
・What would you like for dinner?
・夕食は何がよろしいですか?
⇒夕食という観点(目的地)
前置詞「for」のイメージは「向かう・目の前の方向」なので、「その方向に観点や基準がある」といった感覚です。
「動画で復習しよう」
いかがでしたか?「forのイメージ」は掴めましたでしょうか?
前置詞「for」は一般的には「~のため」という意味で使われていますが、それは「向かう・目の前の方向」というイメージから生まれています。
この「向かう・目の前の方向のイメージ」は、感覚的には「両腕を広げた領域とその方向」といった感覚になり、そこから「方向」「目的・用途」「交換・対価」「原因・理由」「期間(時間)」「観点・基準」などを表現することができます。
前置詞「for」は、全ての前置詞の中でも、最もよく使われる前置詞のひとつなので、ぜひ、この記事を参考に感覚を掴んでみてくださいね。
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