これで完璧!前置詞「by」の5つの意味と使い方!英語のイメージで表現の幅を広げよう!
前置詞の「by」と言えば、一般的には「~によって」という意味でお馴染みですよね?
実際、前置詞「by」は日本語で言うところの「~によって」という意味で使うことができますが、それは前置詞「by」のイメージから生みだされた意味の1つにすぎません。では、他に「by」には、どのような使い方があるのでしょうか?
今回の記事では「byのイメージと正しい使い方」を例文とイラストでじっくり解説していきます。
この記事の目次
「byのイメージ」
前置詞「by」のイメージですが「すぐ側」になります。そのため、場所と一緒に使うと「場所のすぐ側」になりますし、時間と一緒に使うと「時間のすぐ側」といった感じで、物理的なもの・非物理的なもの問わず「近接の意味」を生み出すことができます。
・by the door ⇒ ドアの側
・by 10 ⇒ 10時までに
・by bus ⇒ バスで
・by the month ⇒ 月極めで
・by him ⇒ 彼によって
※すぐ側から連想される「近接(近さ)」が「by」のコアイメージ
さて、そんな「すぐ側」のイメージがある前置詞「by」ですが、大きく5つの用途に分けることができます。
1.場所を表す「by」
2.時間を表す「by」
3.手段を表す「by」
4.程度・基準・差異を表す「by」
5.行為者を表す「by」
では、せっかくなので、それぞれのか使い方を例文とイラストを交えながら見ていきましょう。
場所を表す「by」
1つ目の「by」は「場所を表すby」です。具体的な例をあげると「ドアの側」や「駅の側」や「彼を支持する」など「場所やモノの側」を表現できます。
・I’m standing by the door.
・私はドアの側に立っています
⇒ドアの側
・We went by the station.
・私たちは駅の側を通っていった
⇒駅の側
・They live by the sea.
・彼らは海の側に住んでいます
⇒海の側
・We stand by him.
・私たちは彼を支持している
⇒彼の側(物理的には離れているが側にいる感覚)
前置詞「by」のイメージは「すぐ側」なので、場所やモノのと一緒に使うと「その場所やモノの側」を表せます。この「側」の感覚は、実際に「物理的な側」でなくても「感覚的に側」にあれば使うことができます。
具体例を挙げると「We stands by him.(私たちは彼を支持している)」が正にそれで、実際、イラストからも分かるとおり、支持者と候補者とは物理的には近くにいないですが、距離感的には側で支えている感覚がありますよね。
「by」と「near」と「beside」の違い
前置詞「near」と前置詞「beside」は前置詞「by」と同じように「場所の側」を表現することができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
・He lives beside the park.
・彼は公園の隣に住んでいる
⇒文字通り「隣」
※その横・その隣が「beside」のイメージ
・He lives by the park.
・彼は公園の側に住んでいる
⇒公園が見える位置に住んでいる(すぐ側)
※すぐ側が「by」のイメージ
・He lives near the park.
・彼は公園の近くに住んでいる
⇒公園の近くに住んでいるが、必ずしも公園が見える位置ではない(近く)
※近くが「near」のイメージ
前置詞「by」のイメージは「すぐ側」なので、文字通り「海の側」に住んでいます。一方「near」のイメージは「近く」なので、実際に「海の近く」には住んでいますが「必ずしも海が見える位置」ではありません。この「すぐ側」と「近く」の感覚は日本語でも同じなので分かりますね。
また、前置詞「beside」のイメージは「その横・その隣」なので、前置詞「by」よりも「側の感覚」が強くなります。ニュアンスとしては「すぐ横に並んでいる」といったニュアンスです。
時間を表す「by」
2つ目の「by」は「時間を表すby」です。具体的な例をあげると「2時までに」や「今頃はもう」や「日中は~、夜は~」など「時間の側」を表現できます。
・I have to do my homework by two.
・2時までに宿題をしなくてはいけません
⇒2時に近づく(~までに)
・She should have arrived by now.
・彼女は今頃はもう到着しているはずだ
⇒今頃(~までに)
・She works in a restaurant by day and works in a nightclub by night.
・彼女は日中はレストランで働き、夜はナイトクラブで働いている
⇒昼が終わるでに、夜が終わるまでに
前置詞「by」のイメージは「すぐ側」なので、時間と一緒に使うと「任意の時間の側(その時間に近づいていく)」というニュアンスになります。
つまり、「by two」ならば「2時に近づく(2時までに)」、「by now」ならば「今に近づく(今頃は)」、「by day」ならば「昼の終わりに近づく(日中は)」という意味が生まれます。
前置詞「by」と「until」の違い
前置詞「until」も「by」と同じように「時間(~までに)」を表現ことができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
●by ⇒ その時間に接近していくイメージ
・I have to do my homework by two.
・2時までに宿題をしなくてはいけません
⇒2時に近づく(~までに)
●until ⇒ その時間まで継続するイメージ
・I have to do my homework until two.
・2時まで宿題をしなくてはいけません
⇒2時までずっと(~まで)
前置詞「by」のイメージは「すぐ側」なので、時間と一緒に使うと「その時間までに」と「期限」を表します。一方、前置詞「until」のイメージは「ここまで継続」なので、時間と一緒に使うと「その時間まで継続」と「継続の終了地点」を表します。
手段を表す「by」
3つ目の「by」は「手段を表すby」です。具体的な例をあげると「電話で」や「勉強して」や「ブログで」といった感じで「手段・方法」を表現します。
・I came by train.
・私は電車で来ました
⇒電車という手段
※この場合の電車はモノではなく交通手段なので無冠詞になる
・You should contact him by phone.
・彼に電話で連絡を取った方が良いよ
⇒電話という手段
※この場合の電話はモノではなく通信手段なので無冠詞になる
・She passed the exam by studying hard.
・彼女は一生懸命勉強して試験に合格した
⇒勉強という手段
・She makes a living by posting a blog.
・彼女はブログを書いて生計を立てている
⇒ブログの投稿という手段
・She came in by the back door.
・彼女は裏口から入ってきました
⇒裏口を通るという手段(経由)
前置詞「by」のイメージは「すぐ側」なので、乗り物や道具などと一緒に使うとの「手段・方法」を表します。感覚としては「そこにたどり着くまでに利用したもの・こと」ですね。それらのものやことは「たどり着く際に近くにあった」ので「by」を使って表現できるという訳です。
前置詞「by」と「with」の違い
前置詞「with」も「by」と同じように「手段・方法」を表現ことができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
●by ⇒ すぐ側(手段・方法)
・I came here by train.
・電車でここに来ました
⇒その状態に至るまでの手段・方法
※手段(手段なので「train」は無冠詞)
※話者の頭の中に他の選択肢がある(バスでもタクシーでもOK)
前置詞「by」のイメージは「すぐ側」なので「何かに近寄った結果、ある状態に至るまでの手段」を表現します。
●with ⇒ 共に(道具)
・Please write with this pen.
・こちらのペンでお書きください
⇒使い手と道具という主従関係がある
※道具(道具なので「pen」には冠詞が必要)
※話者の頭の中に他の選択肢はない(頭の中で使う道具を決めている)
一方、前置詞「with」のイメージは「共に」なので、それを利用するものとの主従関係があり、その結果、手段や方法ではなく「道具」を表現します。
程度・基準・差異を表す「by」
4つ目の「by」は「程度・基準・差異を表すby」です。具体的な例をあげると「法律で義務付けられている」や「規定の時間から1分差で逃す」や「月極めで」といった感じで「基準・差異」などを表現できます。
基準のby
・That is required by law.
・それは法律で義務付けられている
⇒法律の側
・He should play by the rules.
・彼は規則にしたがって演じなければならない
⇒規則の側
前置詞「by」のイメージは「すぐ側」なので、近くにいなければならない「基準」を表現できます。
差異のby
・We raised the price by ten percent.
・私たちは10%の値上げをしました
⇒基準から10%の価格
・He missed the train by 1 minutes.
・彼は1分差で電車を逃した
⇒規定の時間から1分の時点
・The horse won by a nose.
・その馬は鼻の差で勝った
⇒先頭の馬から鼻ひとつ分の距離
前置詞「by」のイメージは「すぐ側」なので、基準からの「差」を表現することがきます。
単位のby
・Eggs are sold by the dozen.
・卵は1ダース単位で売られている
⇒区分・分類
・She rent the parking by the month.
・彼女はその駐車場を月極めで借りている
⇒区分・分類
前置詞「by」の表現している「差」は「隔たり」として捉えることができます。そして、その隔たりのイメージから「区分」や「分類」の意味が生まれるため、そこから月極めなどの「単位」の意味が派生しています。
尚、「単位」を表現する場合は、冠詞「the」を付ける必要があります。その理由は「the」には、モノを特定させる働きがあるからです。なので「the」を付けることで「共通の理解(単位)」が生まれるという訳です。
乗除のby
・5 multiplied by 2 is 10.
・5×2=10
⇒5に2つの隔たり
・10 divided by 2 is 5.
・10÷2=5
⇒10に2つの隔たりを作る
前置詞「by」には「隔たり」のイメージを派生させるため、そこから「乗除」が表現できます。
漸次的変化のby
・He went up step by step.
・私達は1歩1歩登っていった
⇒隔たり
・She called them one by one.
・彼女は彼ら一人一人に電話をした
⇒隔たり
前置詞「by」には「隔たり」のイメージを派生させるため、そこから「漸次的変化」が表現できます。
行為者を表す「by」
5つ目の「by」は「行為者を表すby」です。具体的な例をあげると「彼に割られる」や「彼によって書かれる」や「家族に愛される」といった感じで「行為者」を表現できます。
・The window was broken by him.
・窓は彼に割られた
⇒行為者は行為を行う際は現場の近くにいる
・This novel was written by him.
・この小説は彼によって書かれた
⇒行為者は行為を行う際は現場の近くにいる
・He was loved by his family.
・彼は家族に愛されていた
⇒行為者は行為を行う際は現場の近くにいる
前置詞「by」のイメージは「すぐ側」なので、そこから「行為者」を表現できます。理由は何かの行為が行われる際に「行為者はその場の近くにいるから」です。因みに、この「近く」というのには「物理的な距離」は関係ありません。あくまでも「行為者の存在」が感じられるのであればOKです。
「動画で復習しよう」
いかがでしたか?「byのイメージ」は掴めましたでしょうか?
前置詞「by」は一般的には「~によって」という意味で使われていますが、それは「すぐ側」というイメージから生まれています。
イメージが「すぐ側」なので、場所に使えば「場所の側」、時間に使えば「時間の側」を表現でき、乗り物や道具などと一緒に使うとの「手段・方法」も表すことができます。また「すぐ側」のイメージから、対象との距離「隔たり」や「差異」を表すことができ、その隔たりのイメージから「区分」や「単位」といったイメージも派生してきます。
非常に幅広く応用の利く単語ですが、前置詞「by(すぐ側)」のイメージは生きているので、意識しながら様々な表現に触れるようにしましょう。
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