これで完璧!前置詞「as」の4つの意味と使い方!英語のイメージで表現の幅を広げよう!
前置詞の「as」と言えば、一般的には「~として」という意味でお馴染みですよね?
実際、前置詞「as」は日本語で言うところの「~として」という意味で使うことができますが、それは前置詞「as」のイメージから生みだされた意味の1つにすぎません。では、他に「as」には、どのような使い方があるのでしょうか?
今回の記事では「asのイメージと正しい使い方」を例文とイラストでじっくり解説していきます。
「asのイメージ」
前置詞「as」のイメージですが「2つのモノがイコール」になります。
元々のイメージが「2つのモノがイコール」なので、日本語訳の「~として」や「~のような」といった意味が生まれているのですが、感覚自体は非常に掴みやすいため、前置詞としてはそれほど難しい単語ではありません。
・as my boss ⇒ 上司として
・Just as you ⇒ あなたと同じように
・As a result ⇒ その結果
・as a child ⇒ 子供の頃
※2つのモノがイコールから「役割・様態・例え・原因・理由・時代」などを表現できる。
さて、そんな「2つのモノがイコール」というイメージがある前置詞「as」ですが、大きく4つの用途に分けることができます。
1.役割を表現す「as」
2.様態・例えを表す「as」
3.原因・理由を表す「as」
4.時代を表す「as」
では、せっかくなので、それぞれのか使い方を例文とイラストを交えながら見ていきましょう。
役割を表す「as」
1つ目の「as」は「役割を表すas」です。具体的な例をあげると「上司として尊敬している」や「自分自身が天才だと思っている」や「医者としてアドバイスをする」といった感じで「役割」を表現できます。
・I respect him as my boss.
・私は彼を上司として尊敬しています
⇒彼と上司がイコール
・He workes as an engineer at the company.
・彼はその会社でエンジニアとして働いている
⇒彼とエンジニアがイコール
・He thinks of himself as a genius.
・彼は自分自身を天才だと思っている
⇒彼自身と天才がイコール
・We chose him as the leader of the team.
・私たちは彼をチームのリーダーに選んだ
⇒彼とチームのリーダーがイコール
・As your doctor, I advise you to stop smoking.
・医者として禁煙することをおすすめします
⇒話者と医者(あなたの主治医)がイコール
前置詞「as」のイメージは「2つのモノがイコール」なので、何かに職業や地位などの「役割」を持たせることができます。感覚としては「役割を持たされるモノと役割がイコール」といった感覚です。
様態・例えを表す「as」
2つ目の「as」は「様態・例えを表すas」です。具体的な例をあげると「彼は当たり前のように嘘をつく」や「私は蜂のように忙しい」や「例えばサッカーとかね」といった感じで「様態・例え」を表現できます。
・He lies as a matter of course.
・彼は当たり前のように嘘をつきます
⇒嘘をつくという行動と彼にとっての当たり前がイコール
・I’m busy as a bee.
・私はハチのように忙しい
⇒私の忙しさと蜂の忙しさがイコール
・Just as you, I love him.
・あなたと同じように私は彼が好きです
⇒私が彼を好きなレベルとあなたが彼を好きなレベルがイコール
・I like to play sports, such as football.
・スポーツをするのが好きです、サッカーとかね
⇒好きなスポーツとサッカーがイコール(具体例)
前置詞「as」のイメージは「2つのモノがイコール」なので、具体例などの「様態や例え」を表現する際に便利です。
前置詞「as」と前置詞「like」の違い
前置詞「like」も「as」と同じように「~のように」を表現ことができますが。以下のようにニュアンスが異なります。
・as ⇒ 同時性・役割(そのモノ自体の意味合いが強くなる)
・like ⇒ 共通点・類似(そのモノに似ている)
日本語にすると同じ「~のように」と訳すことができますが、この2つの前置詞には明確な違いがあり、前置詞「as」は「役割(そのモノ自体の意味合いが強い)」ですが、一方の前置詞「like」は「類似(そのモノに似ている)」というイメージになります。
なので、以下のような文では前置詞「as」を用いることはなく、普通は前置詞「like」を用います。
○ She sings like an angel.
○ 彼女は天使のように歌う
⇒あくまで類似であり天使そのものではない
× She sings as an angel.
× 彼女は天使のように歌う
⇒彼女=天使ではないのでふさわしくない
あくまで「似ている(~のような)」と表現するのであれば「like」を使うのが普通です。
この「as(役割)」と「like(類似)」のニュアンスの違いが分かりやすいのが以下のような例文です。
・As your mother, I protect you.
・あなたの母親として、私はあなたを守ります
⇒役割なので「母として」という意味になる
・Like your mother, I protect you.
・あなたの母親のように、私はあなたを守ります
⇒類似なので「母親のように」という意味になる
こうやって比べてみると、前置詞「as」と前置詞「like」、それぞれのニュアンス違いが一目瞭然で分かりますね。
原因・理由を表す「as」
3つ目の「as」は「原因・理由を表すas」です。具体的な例をあげると「実を言うと」や「その結果」や「一般的に」といった感じで「原因・理由」を表現できます。
・As a matter of fact, I don’t like my boss.
・実を言うと、私は上司が好きじゃない
⇒事実と私が上司を好きじゃないという気持ちがイコール
・As a result, he left the company.
・その結果、彼は会社を退社した
⇒結果と彼の退社がイコール
・As a rule, we have a lot of rain in fall.
・一般的に秋には雨が多い
⇒一般的な秋の天候と雨が多いがイコール
・She died as a result of the traffic accident.
・彼女は交通事故で亡くなった
⇒彼女の死因と交通事故がイコール
前置詞「as」のイメージは「2つのモノがイコール」なので、「原因・結果」などを表現する際に使えます。
・as a matter of fact(実を言うと)
・as a result(その結果)
・as a rule(一般的に・概して)
・as a matter of course(当然のこととして)
基本的には上記の例文のように慣用句が多いので、パターンとして覚えておくと便利だと思います。
時代を表す「as」
4つ目の「as」は「時代を表すas」です。具体的な例をあげると「子供の頃」や「学生時代」といった感じで「時代」を表現できます。
・I loved him as a child.
・子供の時、彼が好きでした
⇒子供の頃の状況(同時性)
・As a boy, he was shy.
・少年の頃、彼は恥ずかしがりやだった
⇒少年の頃の状況(同時性)
・He lived in NY as a child.
・子供の頃、彼はニューヨークに住んでいた
⇒子供の頃に住んでいた場所(同時性)
・As a student, I had a lot of freedom.
・学生時代、私にはたくさんの自由があった
⇒学生の頃の状況(同時性)
前置詞「as」のイメージは「2つのモノがイコール」なので、「~の頃は」といった感じで「時代」を表現することができます。
その際に強く感じられるのが「同時性」です。当時と当時の状況は「イコールである」のはもちろんですが、一緒に進行しているモノでもあるため「同時に起こっていること」としての認識が生まれるという訳です。
この「同時性」を意識しておくと、前置詞以外の「as」の用法(接続詞・副詞・関係代名詞)がイメージしやすくなるので、ぜひ覚えておきましょう。
前置詞以外の「as」の用法
ここまでは前置詞「as」について詳しく解説してきましたが、実は「as」という単語は、驚くほど応用範囲が広く、前置詞以外にも、接続詞・副詞・関係代名詞としても使うことができます。
今回の記事では、前置詞としての用法がメインなので、あまり深く接続詞・副詞・関係代名詞としての「as」には触れませんが、知っておかないと非常に不便なので軽く触れていきます。
●前置詞・接続詞・副詞の定義
大前提として、それぞれの品詞の定義に触れて行きますので、それを踏まえた上で感覚を掴んでいきましょう。
・前置詞 ⇒ 名詞(名詞相当の語句)の前に置かれる
・接続詞 ⇒ 語句と語句・文と文をつなげる
・副詞 ⇒ 名詞以外を修飾する
どの品詞になったとしても「2つのモノがイコール」というイメージは覆ることがないので、それも踏まえて例文を見てくださいね。
接続詞「as」の5つの用法
●時を表す「as」:(~する時)
・As I got to the station, it began to rain.
・駅に着いたちょうどそのとき、雨が降り始めた
⇒「駅に着いたとき」=「雨が降り始めたとき」(同時性)
●譲歩を表す「as」:(~だけれど)
・They were happy, poor as they were.
・彼らは貧しかったが幸せだった
⇒彼らの幸福と貧しさが共存(同時性)
●様態を表す「as」:(~のように)
・Do in Rome as the Romans do.
・郷に入りては郷に従え(諺)
⇒ローマではローマ人のように振る舞え(役割)
●原因・理由を表す「as」:(~なので)
・As it is raining, I will stay home today.
・雨が降っているので、今日は家にいます
⇒雨が降っている状況と家にいる状況が同時進行(同時性)
●比例を表す「as」:(~するにつれて)
・As it got darker, it became colder.
・暗くなるにつれて寒くなった
・暗くなっていく状況と寒くなっていく状況が同時進行(同時性)
接続詞「as」の用法で、よく使われるのが上記でご紹介した5つの用法です。この他にも「直前の名詞の概念を制限する用法」などもありますが、今回は前置詞としての「as」がメインなので割愛します。
副詞「as」の用法
●比較の「as」:(~のように)
・I can do it as well.
・私にもそれくらいはできる
⇒相手と同じように自分もできる
●原級比較の「as」:(~と同じくらい)
・She is as smart as you.
・彼女はあなたと同じくらい賢い
⇒彼女の賢さとあなたの賢さがイコール
今回紹介した以外にも、副詞「as」はいくつかありますが、重要なポイントは「前置詞にしろ、接続詞にしろ、副詞にしろ、コアイメージである”2つのモノがイコール”は生きている」という点です。
実際、上でご紹介した文「She is as smart as you.」には2つの「as」が使われていますが、それぞれを分析すると以下のようになります。
・She is as smart as you (are smart).
・彼女はあなたと同じくらい賢い
⇒1つ目の「as」は「同程度に」という意味の副詞
⇒2つ目の「as」は「~のように」という意味の接続詞
※品詞は別物だが「2つのモノがイコール」というイメージは健在
どうですか?
後学のため、品詞にまで言及して少し解説しましたが、コアイメージである「2つのモノがイコール」さえ意識しておけば、試験はともかく会話などで使う分には十分です。なので、まずはコアイメージをしっかり掴んで英文に触れるようにしましょう。
関係代名詞「as」の用法
では、最後に関係代名詞の「as」について軽く触れます。関係代名詞の「as」はTOEICの高得点保持者でも間違えるくらい上級者向けの用法になりますので、今回の記事では作り方とイメージだけお伝えします。
・I can’t buy as expensive a watch as he always wears.
・彼がいつもつけている時計と同じくらい高価な時計を私は買うことができない
上記の文を作り方とイメージを意識して組み立てていきましょう。まずはベースとなる文は下記の文ですね。
・I can’t buy an expensive watch.
・私は高価な時計を買うことができない
そこに「同じくらい(2つのモノがイコール)」を表現できる「as」を足すと以下のようになります。
・I can’t buy as expensive a watch.
・私は同じくらい高価な時計を買うことができない
その際、少し見慣れない語順「as expensive a watch」になっていますが、これは間違いではなくて、「asとexpensiveの結びつき(同じくらい高価な)が非常に強い」ため、語順が入れ替わります。
最後に「彼がいつもつけている」を足して、関係代名詞の「as」の文が完成します。
・I can’t buy as expensive a watch as he always wears.
・彼がいつもつけている時計と同じくらい高価な時計を私は買うことができない
そもそも関係代名詞自体が難しいので、今回の記事では深く触れませんでしたが、文の構造や作り方はともかく、この記事の主旨である「as:2つのモノがイコール」は、この例文からも感じ取ることができますよね?
「動画で復習しよう」
いかがでしたか?「asのイメージ」は掴めましたでしょうか?
前置詞「as」は一般的には「~として」という意味で使われていますが、それは「2つのモノがイコール」というイメージから生まれてきています。
この単語「as」は前置詞としての用法だけでも多くの使い方があり、様々な意味に訳されるため、非常に混乱しやすく、更に前置詞だけでなく、接続詞や副詞や関係代名詞としても使われるため、英語に慣れていない私たち日本人には非常に掴みにくい単語です。
ですが、前置詞にしろ、接続詞にしろ、副詞にしろ、関係代名詞にしろ、コアイメージの「2つのモノがイコール」は常に生きているので、コアイメージを頼りにしながら、多くの例文に触れて慣れていくようにしましょう。
【学校では教えてくれない英語のイメージを知りたい方へ】
英語の本来のイメージを『ネイティブ感覚インストール講座』にてお伝えしております。当サイトではお伝えしていない内容も動画で配信中。
オリジナル英会話教材 ⇒ ネイティブ感覚インストール講座
長い間英語を勉強してきて、英単語もたくさん覚えてきたはずなのに、「英語を話す際に言葉に詰まってしまう」、そんなお悩みがある方にお薦めの講座です。ご興味のある方はぜひご覧ください。